大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 平成9(し)171 決定

主 文

本件抗告を棄却する。

理 由

記録によれば、本件は、申立人が、申立人に対する覚せい剤取締法違反被告事件

の審理を担当する前橋地方裁判所裁判官(地方裁判所の一人の裁判官)Aを忌避す

る旨の申立てをし、同裁判官が刑訴法二四条により右申立てを却下した裁判に対し

て準抗告を申し立て、右準抗告の棄却決定に対して更に本件抗告に及んだという事

案であるが、右準抗告は、同裁判官が前記被告事件について既に判決を宣告した後

に申し立てられたものであることが明らかである。

このように、裁判官が担当事件の審理を終えて判決宣告をした後においては、右

裁判官に対する忌避申立てを却下する裁判を取り消す実益が失われるものと解する

のが相当である(最高裁昭和三六年(し)第四四号同年一〇月三一日第三小法廷決

定・裁判集刑事一三九号八一七頁、最高裁昭和五九年(し)第二九号同年三月二九

日第一小法廷決定・刑集三八巻五号二〇九五頁参照)から、本件準抗告の申立ては

不適法であり、これが適法であることを前提とする本件抗告も不適法である。

よって、刑訴法四三四条、四二六条一項により、裁判官全員一致の意見で、主文

のとおり決定する。

平成九年一〇月二日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 遠 藤 光 男

裁判官 小 野 幹 雄

裁判官 井 嶋 一 友

裁判官 藤 井 正 雄

- 1 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!